Twigs&Dwarfの家具ができるまで|手作業で仕上げる温もりある家具づくり

はじめに
Twigs&Dwarfでは、一つひとつの家具を丁寧に手作業で仕上げています。
大量生産では味わえない、温かみや手触りの良さ。
この記事では、「家具ってどうやって作られているの?」という素朴な疑問にお応えするかたちで、製作の流れをご紹介します。
「ネジを締めて家具を組み立てることすら苦手…」という方にも安心して読めるように、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。
Twigs&Dwarfの家具がどんな風に生まれているのか、少しだけのぞいてみてください。
全体の流れをざっくりと
工程は多くありますが、難しいことはありません。
大きく分けると、次のような流れで家具ができていきます。
・木を選ぶ
・必要なサイズにカットする
・商品ごとに加工する
・組み立てて、磨いて、塗装して…
少しずつ工程を重ねながら、最後には世界に一つだけの家具が完成します。
それでは、ここから順を追って詳しく見ていきましょう。
1. 木材を選ぶところから始まります

家具づくりは、材料選びからスタートします。
Twigs&Dwarfでは、主に赤松の集成材を使用しています。集成材とは、木の良い部分だけを貼り合わせて作る木材で、反りや割れが出にくく、特に収納家具に適した素材です。
木はすべて表情が異なります。木目の流れや節の位置、色合いなどを目で見て、手で触れながら、どの部分をどこに使うかを決めます。
例えば、普段目にする部分には木目が美しいものを持っていき、少し荒い木目は裏側に使用するなど無駄がないように使い分けます。
使用している木材に関して詳しくは下の記事をご覧ください。
2. 必要なサイズにカットしていきます

木材の選定が終わったら、次はパーツごとに正確にカットしていく作業。
Twigs&Dwarfでは1mm単位でカットを行っており、ズレが出ないよう慎重に計測と確認を重ねています。
主に幅25cm〜35cm幅の木材を使用するので、この幅の木材を正確に切るために自作の丸ノコ台を製作して使用しています。これを使用すれば同じ長さの材料をいくつも正確に切ることもできるので、非常に重要な道具の1つです。
3. 商品ごとの“かたち”に加工します
木材の切り出しが終わったら、商品ごとに加工を進めていきます。
ここではいくつかの代表的な加工作業をご紹介します。
サイドテーブルの窪み加工

こちらはサイドテーブル用の窪みをつける加工をしています。トリマーという電動工具を使用して、削っていきます。

完成形がこちらになります。コップなどがちょうど置きやすい形状になりました。
この工程を経て作られているのが、Twigs&Dwarfで人気のサイドテーブルです。
▶︎ [サイドテーブルおふたり様用の商品ページを見る]
▶︎ [サイドテーブルおひとり様用の商品ページを見る]
キッチントレー用の曲面加工

次はキッチントレーの持ち手部分の曲面加工。
緩やかな曲線が木のあたたかみを感じさせる特徴的な形状です。

大まかに形に合わせて切り取った後に、このように形板に合わせて曲線を仕上げていきます。

こちらがキッチントレーの完成形。曲線が柔らかい印象を与えてくれますね。
▶︎ [キッチントレーの商品ページを見る]
組み立て時用のビスの下穴加工

Twigs&Dwarfの組み立て方法はビスを使用していますが、完成時にはビスが見えない工夫をしています。こちらはビスを打ち込み位置に印をしています。

その後。専用の工具で下穴を開けて組み立てる前の準備をします。
必要に応じて鉋などの伝統工具を駆使します。

木工職人の経験を最大に活かして製作しているため、電動工具などだけではなく鉋などの伝統工具も必要に応じて使用しています。細かい作業などの繊細な部分は手作業で調整することが大切なんです。
4. 組み立て前の研磨

加工が終わったらすぐに組み立て…ではありません。
ここでいったん各パーツを研磨していきます。
組み立て後では研磨がしにくい場所があるので、先行して研磨をしていきます。
側面の研磨も怠らない

研磨は表裏だけでなく、側面も研磨をします。側面はなかなかやりにくいので、他店では研磨をしていない家具が見られますが、Twigs&Dwarfhでは電動工具と自作の台を合わせてしっかり研磨をしています。全面をしっかり研磨をすることで最終的な仕上がりの良さにつながります。
【なぜ“研磨”はこんなにも大切なのか】
木工の中でも「研磨」は地味な作業と思われがちですが、家具の仕上がりを左右する非常に大切な工程です。
たとえば角が立ったままの板は、触れたときに手を痛めたり、衣類が引っかかったりと、日常使いに支障が出ることもあります。
特に小さなお子様がいるご家庭では、安全面からも丁寧な研磨が欠かせません。
さらに、表面をなめらかにすることで、オイルやワックスが均一に木に浸透しやすくなり、色ムラや仕上げのムラを防ぐというメリットもあります。
つまり、研磨は「安全性」「手触りの良さ」「塗装の美しさ」すべてを支える土台なのです。
Twigs&Dwarfでは、組み立て前と後の2回以上にわたり、丁寧に研磨を徹底しています。
手間が掛かるがいっさい手を抜かない、そんな思いが詰まった作業です。
5. 組み立てと“埋木”で仕上げます

いよいよパーツ同士を組み上げて家具の形を作ります。
Twigs&Dwarfでは主に家具用の強力な接着剤とビス留めでしっかりと固定しますが、ここでこだわっているのが「埋木(うめき)」という技法。

これは、ビス穴を木でふさぐことで表面にネジを見せないという仕上げ方法です。
同じ木材の木片を切り出して埋めるため、ほとんど跡が目立たず、美しい仕上がりになります。
手間はかかりますが、見た目の美しさに大きな違いが出る大切な工程です。
この工程で組み立てているのがこちらの商品です。
▶︎ [キッチンワゴンの商品ページを見る]
6. 全体をなめらかに整える“仕上げ研磨”と“面取り”

組み立てが終わった時点で、家具の形としては完成します。
ですが、ここからが「質感」を整える大切な仕上げの工程です。
全体をもう一度、丁寧に研磨していきます。
この仕上げ研磨では、特に組み立て後の外側、つまり目につきやすい部分を中心に磨き上げていきます。
そのため、一度目の研磨以上に、手触りや見た目にこだわって仕上げていく工程となります。

さらに角や手の触れる部分には「面取り」を施します。
面取りとは、角を斜めに削って丸みを持たせることで、やわらかい印象と安全性を両立させる作業です。
一見すると小さな違いですが、毎日の生活で使う家具だからこそ、この一手間が大きな違いになります。
【角の面取りでどう違う?】

通常切り出した後は上の画像のように角が立っている状態です。この状態だと触っていても危ないですよね。

こちらが、面取りを行い、塗装前の状態です。Twigs&Dwarfの面取りは写真のように目立ちすぎず、かつ柔らかい丸みをつけることで、見た目を損なわず安全な家具に仕上げています。
7. 最後の仕上げはすべて“手作業”です

電動工具を使用した研磨は全体を大きく研磨できるけど、細かい細部はできません。どうしても最後は手作業で仕上げていきます。また、微妙な角の形状などは手作業でないと表現することできないので、ここは手を抜けない最後の大切な作業となります。

目で確かめて、実際に触って角が立っていて危ない場所はないか、綺麗に研磨できているのかを確認しながら仕上げます。
8. 1回目のオイル塗装|木の内部から色味と質感を引き出す

Twigs&Dwarfでは、ウレタンなどの表面コーティング塗装ではなく、「オイル+ワックス」の2段階仕上げを行っています。
まずは植物由来のオイルを刷毛や布を使って丁寧に塗り込みます。
この工程では、オイルが木の内部にまで染み込み、しっとりとした質感と深みのある色味を引き出してくれます。
木目の表情がくっきりと浮かび上がり、家具としての存在感も増す瞬間です。
塗布後は、1日かけてじっくりと乾燥させます。
乾燥後には再度軽く研磨を行い、次の仕上げ工程へと進みます。
ウレタン、オイル、ワックス塗装に関して詳しくは下の記事で解説しています。
9. 2回目のワックス塗布|自然なツヤと保護をプラス

乾燥と研磨を終えた後、最後の仕上げとして蜜蝋ワックスを塗り込みます。
このワックスには自然なツヤを与えるだけでなく、表面の保護膜をつくり、水や汚れを弾きやすくする効果があります。
塗りすぎず、でもムラにならないように、布でやさしく均一に塗布していきます。

塗布後に仕上げの最終研磨を行うことで、表面がなめらかに整い、手に吸い付くような質感に。
この工程もすべて手作業で行っています。
木の呼吸を妨げず、年月とともに味わい深く育っていく家具に仕上げるための、Twigs&Dwarfならではのこだわりです。
こだわりの塗装方法に関して詳しくは下の記事をご覧ください。
10. 最後の、梱包にも想いを込めて

家具が完成したら、状態を最終チェックしたうえで、発送準備に入ります。
Twigs&Dwarfでは、内側から“プチプチ2重、巻きダンボール、角ガード、プチプチ”と配送時に傷や凹みが発生しないように十分に注意して梱包しています。

いろいろ工夫をしていても、どうしても配送時に傷を付けられてしまうことがあります。
お客様は心待ちにしていただき、かつ私としても精一杯作った物をようやくお届けるできる時ですが、残念ながら無事に商品が届くかいつも不安な気持ちがあります。
だからこそ、梱包は手を抜かず時間を掛けてしっかりと行っています。
届いた時に、「箱を開けた瞬間に木の香りがして感動した」と言ってくださるお客様も。
商品が届いた時のワクワクまでが、私の手仕事だと思っています。
おわりに

Twigs&Dwarfの家具は、一つとして同じものがない、暮らしに寄り添う一点もの。
材料の選定からカット、加工、研磨、塗装、梱包まで。
すべての工程を一人の職人が責任を持って手がけています。
『確かな技術を、もっと身近に』
そんな想いで、今日も製作を続けています。
この記事を通して、少しでもその想いが伝われば嬉しいです。
ご不明な点やご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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「オーダーってちょっと不安…」という方は、まずは下の記事で詳しくご紹介していますので、よければそちらもご覧ください。
製作風景を一部YouTubeでも公開しているので、動画でご視聴してみたい方はぜひご覧ください。