その棚、本当に“片付けやすい”ですか?収納家具を選ぶ前に知っておきたい3つのポイント

「どうしてうちは、いつも散らかって見えるんだろう…」
家族の誰かが悪いわけじゃない。
毎日きちんと片付けているのに、気づけばモノがテーブルに積み上がり、床に置かれたままになる。
原因は人ではなく、収納の“仕組み”にあることがほとんどです。
そして、その仕組みの中で意外と見落とされがちなのが、「家具の選び方」です。
私は木工職人として家具をつくる傍ら、整理収納アドバイザーの学びも取り入れて家具雑貨の設計をしています。
今回は、片付けやすい収納家具を選ぶうえで大切な3つのポイントをお話しします。
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1. 棚の“奥行き”が深すぎると、かえって使いにくい
「収納は広ければ広いほどいい」と思っていませんか?
でも、実はそれが“片付けにくさ”を生む原因になることもあるんです。
たとえば、奥行きが深すぎる棚。
奥にしまったモノが見えづらく、取り出しづらい。結果的に「使わない=存在を忘れる」状態に。
そして、気づけば前に置いたモノだけを使うようになって、奥は“デッドスペース”になってしまいます。
つまり収納棚は、“使えるスペース”であることが大事です。
リビングや子供部屋に置く棚なら、奥行き200〜250mm程度がちょうどよく、出し入れもスムーズ。
浅すぎず深すぎない奥行きが、片付けを自然に促してくれます。
35cmの収納家具

たっぷり収納できる奥行きで、大きめのカゴや家電、本や書類ボックスなども余裕で収まります。ただし、奥が見えづらくなるので、奥に入れたものが「存在を忘れられてしまう」ことも多いです。日常的に頻繁に使うものというよりは、ストック品や季節用品などたまに取り出すものの収納に向いています。画像の商品は元々レコードを収納したいというお客様に合わせて奥行きがあるラックを制作しました。
30cmの収納家具

A4ファイルや書類ケースがぴったり収まるサイズ感で、リビングやワークスペースの収納に便利です。奥まである程度見渡せるので、小分け収納や仕切りを活用すれば、日常使いのものをスッキリ整理できます。画像の商品は背板があり、子供服を収納するケースがいい感じにおさまっています。可動式の棚なので、ケースに合わせて無駄なスペースを無くすこともできます。
25cmの収納家具

奥まで手が届きやすいサイズで、散らかりやすい小物や日用品などを収納するのに向いています。何がどこにあるか一目で把握しやすく、普段使いするものをサッと出し入れしたい場合にぴったりです。
22cmの収納家具家具

省スペースの棚や玄関・廊下の隙間収納などに最適な浅めのサイズです。奥で物が埋もれる心配がなく、常に必要なものをすぐ取り出せます。ただし、大きなものや重いものを収納するには不向きです。
20cmの収納家具

もっともコンパクトなサイズで、リビングやキッチンカウンター下など、ちょっとした隙間に置きやすいのが特徴です。収納量は限られますが、物が常に見えるので管理しやすく、小物や細かい雑貨を置くのに向いています。
2. 棚板の高さが調整できると“暮らしに寄り添える”

収納家具を買ったときは完璧だと思ったのに、使っていくうちに「何か使いづらいな」と感じたことはありませんか?
それ、原因は棚板の固定にあるかもしれません。
ライフスタイルは常に変化します。
子どもの成長、趣味の変化、季節によるモノの入れ替え…。
そんな変化に対応できるのが、高さが調整できる可動棚です。
たとえば:
- ・絵本の高さに合わせて低めに
・ファイルボックスに合わせて少し広めに
以前、小学生の息子さんを持つお母さんから、
「教科書や道具箱がバラバラで、うまく収まらない」と相談されました。
高さ調整ができる棚をご提案したところ、
「無駄なスペースが減りしまいやすくなった」と、息子さん自身が進んで片付けをするようになったそうです。
棚板が自由に動くというだけで、こんなにも暮らしは変わるんだと、改めて感じたエピソードです。
3. 「収納ステップを減らす」ことが片付けやすさのカギ

「出すのは簡単なのに、戻すのが面倒」。そんな時、問題は“収納するまでのステップ”にあるかもしれません。
例えば、扉のない棚にボールペンを戻すときは、ただ置くだけの1ステップです。しかし、扉付きの棚や中に小分けの箱がある場合、扉を開ける → 箱を出す → 収納する…と3ステップ必要になります。
きれいに隠す収納や、小分けで整理されたボックス収納は一見素敵に見えますが、実は片付けのハードルを上げる原因になることもあります。ズボラさんや忙しい方の場合、収納の「出し入れの手間が少ない」ことが、片付けを続けるポイントになります。
家具には扉のないオープン収納と扉があるクローズ収納があります。見せてもいいものは、無理に扉をつけてクローズ収納にする必要はありません。収納するものに合わせて、必要なステップで出し入れできる家具を選ぶことで、片付けやすさは格段に変わります。
SNSで話題の“隠す収納”や“小分け収納”に憧れる方も多いですが、まずは自分の暮らし方や性格に合うかどうかを考えてみるのがおすすめです。
Twigs&Dwarfでは、オープン収納、扉付き収納、棚の高さやサイズなども、ライフスタイルに合わせて細かくオーダーできます。「収納するものに合わせてぴったり入るサイズで」「玄関に置くので高さを抑えて」など、細かい要望にもお応えしています。
家具が変わると、暮らしが変わる

私のところに相談に来られる方の中には、
「片付けが苦手で、いつも散らかってしまう」「片付けようとは思うけど続かない」と話す方が少なくありません。
そういう方の多くが、そもそも“片付けやすい仕組み”が家の中にない状態でした。
私自身、家具をオーダーで作らせていただく中で、
「モノの居場所をはっきり決めるだけで、自然と戻すようになった」
「棚を変えたら家族が自分から片付けるようになった気がする」
という声をいただくことがあります。
家具は、ただモノをしまう“箱”ではありません。
片付けをラクにし、暮らしのストレスを減らす仕組みそのものです。
使いやすさ、置き場所、形…暮らしに合わせて家具を変えることで、片付けが少しずつ習慣になっていきます。
まとめ|片付けやすさは「家具選び」から
片付けをラクにするには、気合いや根性ではなく、仕組みを作ることが大切です。
その仕組みの一部が、暮らしに合った家具です。
奥行きが深すぎる棚、高さや位置が合わない収納、しまうまでに手間がかかる家具…。
こうした環境は、片付けを続けるハードルを高くしてしまいます。
逆に、自分の暮らしに合わせて選んだ家具は、毎日の片付けを自然な習慣にしてくれます。
Twigs&Dwarfでは、「片付けやすい家具」を一緒に考え、ご提案しています。
あと少し浅ければ…あと数センチ高ければ…。その“ちょっとした違い”が、暮らしのストレスを減らしてくれるはずです。
「どこに置くか」「何をしまうか」を考えながら、長く使える家具を届けたい。
そんな想いで、今日も一つひとつ丁寧に手を動かしています。
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